Gerateria SINCERITA

Blog: ジェラートマイスターのブログ

いつも、ジェラートのことを考える。
いつも、どうすればもっと美味しく作ることが出来るか考える。
そういうプロセスが大切だと思うから、少しだけ書き連ねていこうと思う。

どんなメディアよりも、自分の言葉が一番しっくりくるものです。
ちょっとしたお知らせとか、ちょっとした思い付きとか、
自分の言葉で伝えたいことを
ゆるりとお伝えしようと思います。


5年ぶりの中島。

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画像:5年ぶりの中島。

今年は「リスタート」を意識する年にしようと新年早々に決めた。
そういうこともあって、今年はこの冬季休業中に愛媛県の中島に行って来た。中島は僕にとってはとても思い入れの強い場所。初めて行ったのはもう5年も前のことで、僕が生産地巡りを始めた最初の地でもある。

あれから5年経ったと思うと時間が経ったような、あまり経っていないような気するけれど、この5年間で色々な生産地にも行ったし、ジェラートも沢山作った。本当に沢山。

果物に対する造詣も5年前よりは深くなったと思うし、色々な果物を見て来たおかげもあって、他の果物やその産地との比較も少しはできるようになった。何より、生産者との繋がりが増えたことが嬉しく思う。

久しぶりの中島はやっぱり美しかった。本当に小さくて美しい島というイメージが強かったけど、改めて本当にそうだなと感じる。
潮騒や太陽の光、波打つ音、柑橘の山々、魚が驚くほど美味しくて、日本の良さが濃縮したような場所だなと思う。

今回もお言葉に甘えて、柑橘の生産者である俊成さんのお家に泊めてもらって、ほとんどの時間を一緒に過ごし、丸二日間くらいお酒と共に色々なお話ができた。果樹園のこと、家族のこと、昔行ったアリゾナでの農業留学のことなどなど。
話し上手なご夫婦で、本当に長い時間ずっとお話できて、単純に面白かったし、俊成さんの無農薬栽培のルーツみたいなこともよく分かって良かった。

もちろん、果樹園もまた見せてもらった。
無農薬で除草剤も使っていないから、果樹園を歩くと柔らかい土壌にフワフワした雑草が心地良い。今回は、それぞれの柑橘の葉っぱとか木とかもちゃんと見てみようと思ったので、新しい収穫もあった。
果物って果肉を食べるから果肉ばかりに気を取られがちだけど、果実はその植物の一部であって、そこにはもっと沢山のパーツがあって、それぞれ香りがあったりするもので面白いものだなぁとしみじみ感じた。

当たり前のことだけど、僕たちは知っていることよりも知らないことの方が圧倒的に多い。
食文化一つ取って見ても、ローカルなことはほとんど知らなくて、その地域に行って、そこにいる人たちと関わって初めて知るようなことも多い。
例えば、小さな島で全面が海に囲まれているから、魚介類の鮮度の考え方には驚いた。みんながみんなそういう訳ではないみたいだけど、俊成さんの家では魚は一本釣りしたものを1時間以内に食べるのが当たり前で、それ以外は鮮度が良くないから嫌な臭いが気になってしまうというような話をされていて驚いた。常識なんてあってないようなものだ。
そして、いただいたお魚たちは本当に美味しい。確かに、都会では食べることができないものを日々食べていると思うと、同じ国でも全然違う文化だ。

俊成さんは僕のことを「中井ちゃん、中井ちゃん」と呼んでくれて、娘さんと同じ歳ということもあってか、本当に可愛がってくれていつも嬉しく思う。
僕は誰とでも仲良くできるタイプでもないのだけど、生産者の方々とは何となく馬が合うと言うか、共感できることが多い。ほとんどの場合、農家の仕事というのは孤独で一人で作業をすることが多くて、きっと自分と向き合う時間も多いのだろうと思う。そういう部分からも何となく共感できるようなことが多いのかもしれない。

使ってもらってるとか、使ってあげてるとか、そういう意識はお互い全くなくて、気持ちが良いくらい対等な関係だと会って話をするとよく思う。
こうやって使うから、こういう状態で出荷しようとか、生産的な話がちゃんと出来る。そして、お互いもっと美味しいものを作ろう!という気持ちでいっぱいになって別れる。

美味しいジェラートを作ろうというモチベーションは、お客さんに対してはもちろんのこと、生産者との仲人としての立場も大きい。

「美味しい素材を、素材より美味しいジェラートにしてお客さんに気持ち良く食べてもらう。」

生産者に対しても、お客さんに対しても、そういう仕事のプロフェッショナルでありたいなと思う。

中島から始まったリスタートの年。
気持ちを新たに今日からまた美味しいジェラート作ります。

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