Gerateria SINCERITA

Blog: ジェラートマイスターのブログ

いつも、ジェラートのことを考える。
いつも、どうすればもっと美味しく作ることが出来るか考える。
そういうプロセスが大切だと思うから、少しだけ書き連ねていこうと思う。

どんなメディアよりも、自分の言葉が一番しっくりくるものです。
ちょっとしたお知らせとか、ちょっとした思い付きとか、
自分の言葉で伝えたいことを
ゆるりとお伝えしようと思います。


-5℃と-12℃の違い。

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画像:-5℃と-12℃の違い。

明日の最高気温は23℃で最低気温は16℃。温度差は7℃ある。
僕たちはその温度差を体感として夜は少し寒いとか、昼間は少し暑いという風に感じるし、知っている。

でも、不思議なものでと言うか、あまり経験することがないので、例えば、-5℃と-12℃の違いなんて大抵、分からないものだ。逆に、30℃のお風呂と37℃のお風呂の違いもすぐ分かる。100℃と93℃の違いもまたあんまり分からないかもしれない。

何が言いたいかと言うと、僕たちは普段の生活で体験しない温度帯や温度差に関してほとんど認識がないということだ。(もちろん、マイナス温度下で生活をされている人々もたくさんいるけれど)

ジェラートを作るのが仕事なので、マイナスの中での温度差は日々、意識せざるを得ないのだけど、一般的にはたぶん、分かっていないことが多いと思う。

例えば、コンビニでアイスを買って、そのアイスが何度なのかすぐ答えられるだろうか。
そして、そのアイスが何度で保てば溶けなくて、何度を越せば溶けてしまうのか答えられるだろうか。

0℃で水が氷に変化することはだいたい分かる。でも、0℃でアイスを置いておくと溶けてしまう。−5℃でも溶けてしまう。ルール上は、-18℃以下で保存しなくてはいけないのだけど、それは食べ頃の温度と言う訳でもない。

意外とジェラートの温度は難しい。
今は食べ頃温度を-11℃に設定してジェラートを作っていて、全てのフレーバーを-11℃でちょうど良い固さであったり、ちょうど良い口溶けになるよう計算している。それでも、完全に均一な状態かと言うとそうでもないし、全く同じだと均一過ぎてつまらない要素もあるので、バランスを見つつ作っている。
-11℃と言うことにも意味はあるのだけど、そのあたりは説明し出すと長くなるので省くけれど、ジェラートはとにかく温度に敏感である。

一度、少し高い温度、例えば-5℃で数時間置いた後に、温度を下げたところで同じ元の状態には戻らない。空気を含んだジェラートは空気が抜けるし、糖分が高いところから先に溶け出すので、全体のバランスが崩れてしまう。

レストランのコースのデザートに出てくるアイスのように、食べるタイミングに合わせて美味しい状態に持っていければ良いけれど、ジェラテリアのようにいつ来るか分からない環境で、美味しい状態を保ちつつ、オーダーが入ったらすぐに良い状態で提供するのは、当たり前のことながらとても神経を使わなくてはいけない。

出来立てが美味しいとしても、その出来立ての状態を保ち続けるのは物理的に難しい。
温度を-25℃以下にすれば美味しい状態を保ち易いけど、カチカチな状態で美味しくは食べれない。
どの温度帯がギリギリ美味しさを保てるのか、すぐ食べて美味しい状態なのか、そのあたりのせめぎ合いを常に意識しながら、ジェラートの美味しい状態を維持するよう努めている。

昔からアイスが大好きでよく食べていたけれど、アイスの温度なんて考えたこともなかった。今となっては、毎日、ジェラートの温度との戦いになってしまったのも、また不思議なものだ。

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