Meister's Blog自分の言葉でお伝えします。

Posted on 08.28.2012 9:22am

完熟への憧れ

作り手であれば、だいたい行き着くところが、「完熟への憧れ」なのではないかと思います。

「完熟」と言う言葉は、色々なところで使われていますが、今の便利な世の中において完熟の状態の果物はかなり少なくなってきているように感じます。
フルーツには、追熟と言って収穫してから熟すタイプのものとそうでないタイプに分かれます。追熟するタイプの中でも収穫してからわざと熟させるタイプとそうでないタイプもあります。

果物は植物になる果実のことなので、もちろん、木に成っています。
木に成っていると言う事は、土から栄養を吸い上げ、水分を得、光合成をしながら育っていきます。その過程で果実が熟して甘くなっていきます。

熟した果物と言うのは、その名の通り熟れた状態で柔らかく傷つき易いです。
柑橘などのように厚めの皮に守られたものだとまだ良いのですが、苺のようにむき出しのもの、桃のように皮が薄いものなどはほんの少しぶつかるだけでそこから一瞬にして腐敗が進みます。

そして、傷み易いと言う観点から、商品としてのリスクが伴ってしまいます。
今や日本全国の果物が大抵手に入るようになりました。でも、逆にそういった商品価値を守るために、傷み易さを軽減するために、熟す前に出荷し流通することが普通になっています。

そんな理由から、特に追熟しないタイプの果物は完熟で手に入りにくいです。
生産者の方もわざわざリスクを取ってそんなことはしないもので、熟し過ぎたものは自分たちで消費するかご近所の方におすそ分けみたいなことが多いようです。

今回無理を言って送ってもらった無花果は、実はそんな無理をお願いして送ってもらったものです。
実は地元の神戸がある兵庫県の無花果の生産量は日本でも4番目に入るくらいで、地元の友人に無理言って出来るだけギリギリの状態のものを送ってもらいました。

無花果もまた雨に打たれると終わってしまうくらい繊細です。
配送にも向かないので一般的に出回るギリギリの状態でも頭の部分は青いことが多いですが、今回送ってもらったものは全身しっかり甘みがあり、青さというものが感じられません。

無理言ってお願いしたものなので、良い状態のものが出た時だけ連絡が来て、急に送られてくるという感じで作っているので、安定した量は作れないかもしれませんが、出来るだけ完熟の無花果で作ったジェラートを今年は提供してみます。