Meister's Blog自分の言葉でお伝えします。

Posted on 11.20.2012 12:58am

簡単そうで奥深い。

どんな仕事でもそうですが、理解して行動することが大切だと思っています。

と言うのは、モノ作りにおいては、誰かから教わって作り始めることが多いもので、基本的には教わったことを反復しながら、繰り返し身に付けていくという方法が多いものです。
体が覚え、考えなくても自然と作れるようにもなっていきます。でも、大切なことは全ての工程や全ての材料の意味をしっかり知ることであり、考えることです。私の場合、誰かからちゃんと教わったという経験が少ないので、自分なりに考えて、専門家に質問したり、専門書を読みながら理解していきました。もちろん、まだまだ100%にはほど遠いですが。。。

なので、体に覚えさすよりも頭で考えることの方が多く、理解してから反復することの繰り返しなので、もしかすると覚える効率は良かったのかなとも思います。

話は違いますが、語学もそういった部分があります。例えば、話せるようになるには、外国に飛び出し、その国の人々の中に飛び込めば話せるようになるのは早いです。
でも、私はそんな勇気があるタイプではなので、まずは文法をしっかり覚え、単語をコツコツと覚えていくことから始めるタイプでした。これは向き不向きという問題もあるでしょうが、長い目で見ればやっぱりしっかり文法を理解している方が最終的にはちゃんと話せるようになるものです。

こっちのやり方が正しいということはなく、本当に向き不向きの問題だと思いますが、私には頭でまずしっかり理解して、なぜこれを入れるのか、なぜこういう手順で作るのか、なぜ、この配合にするのかというようなことをちゃんと意味を言えることが大事だと思っています。

ジェラートの場合、ジェラートをちゃんと理解して作っている人とお話すると、いつも「簡単そうで本当に奥が深いですよね。」という話になります。
「簡単そうで」というのは、確かにそうです。メーカーが教えてくれるレシピで牛乳と糖分などを入れて機械に投入すればジェラートになります。だから、簡単と言えば簡単です。

「奥が深い」というのは、ジェラートはマイナス温度の食べ物なので、脂肪分、糖分、水分量などなど色々な成分のバランスを考えないと作りたい食感にならないし、どの状態で提供するために、どの温度で保存するかというようなことも考えないといけません。

例えば、生菓子やチョコレートなどはだいたい保存する温度帯というのは決まっていますが、ジェラートの場合、作った後の状態も考え、温度帯も考えなくてはいけません。

冷凍している状態のものということもあって、より化学的な要素が必要になってきます。そういった意味でも「奥深い」と言えます。

そして、私も本当にまだまだ未知な部分が沢山あります。先日作ったような芋のジェラートだと、その繊維質の活かし方と殺し方みたいな部分も頭で理解していたつもりでも、やってみると思った通りにならないこともあります。
この奥深さにはまるとジェラートは本当に面白いです。ケーキのように見た目の美しさを考えなくても良いですし、基本的にはシンプルな食べ物です。だからこそ、という部分が沢山あるので自分でもまだまだ終着点が見えませんが、最近になってようやく自分らしさと言いますか、個性みたいなものが出せるようになってきたようにも思います。

それぞれの作り手の個性があるジェラテリアが増えると尚、嬉しいし楽しいのになといつも思います。きっと、その人にしか作れないジェラートはもっともっとあるはずだと思います。日本でそんなジェラテリア巡りをいつかしたいなと夢見ています。