Meister's Blog自分の言葉でお伝えします。

Posted on 12.15.2012 12:38am

創る原動力。

食べもらうために作るのか、作るのが楽しいから作るのか。
見てもらう為に描くのか、描きたいから描くのか。
聞いてもらいたいから歌うのか、歌いたいから歌うのか。

この歳になってそんなことを考える必要はないのかもしれないし、そうすべきでないのかもしれないけれど、僕は時々そういったことを真剣に考えてしまう方だ。
それでも、僕の答えはいつも同じ。どちらかと言えば後者である、作るのが楽しいからだ。

例えば、小さい頃、絵を描くのが好きで描いているとある絵を褒められる。
そうすると、嬉しくてまた絵を描く。好きだと何でも上達するし、褒められるとまた上達する。でも、どこかでこういう絵を描くと褒められるんだと分かる時が来る。そうすると、褒められるために描くことも覚える。こうすれば、良い評価をされ、他の絵よりもよく見られるんじゃないかと考えたりもする。

でも、元を辿ると「やっぱり好きだと言う事」と「楽しかった事」に行き着くはずだ。
その結果、褒められたり評価されたりしたというだけのことで。

歳を重ねると、ただ好きだという理由や楽しいという理由というのは、ないがしろにされるし、時には非難されることもある。
もちろん、趣味でやる分には良いけれど、それが商売になり、相手がいる事であれば尚更、そんな理由だけで何かを作ることはなかなかできない。

自己満足の部分はもちろんあるし、それがないと創造することには繋がらないとも思うけど、それを仕事とする以上は線引きやバランスみたいなものが大切になってくるけど、それでも、創る原動力は常に最初に感じた「好きだという事」と「楽しいという事」、それに尽きると思う。

こうやって、日々ジェラートを作る仕事をしていると、自分が作るという楽しさとは別に、お客様との関りであったり、生産者さんとの関りであったり、違った部分での楽しさも生まれてきた。
最近になって、そういった他者との関りの好循環みたいなものも感じるし、同じような理由で、素材を作っている方がいて、同じような理由でジェラートを食べる人がいると思うと、それはもう自己満足だけではないし、小さな意味みたいなものも生まれてくるのかもしれないなと思う。

誰でも自分の事を理解してもらいたいという気持ちや、認めてもらいたいという気持ちがあって、それを自分の好きな事で表現することはとても合理的で、分かり易い方法な気がする。

天の邪鬼で、所謂、レール的なものに全く乗って来なかった僕にとっては、「美味しかったよ。」という一言が、魔法の言葉のようだ。