Meister's Blog自分の言葉でお伝えします。

Posted on 03.25.2013 10:28pm

ピスタチオのこと。

ジェラートが好きな方は好きなことが多いフレーバーにピスタチオがあります。私もイタリアにいた時はノッチョーラとピスタチオはついつい頼んでしまうフレーバーの一つでした。

産地としてはイラン、アメリカ、トルコなどが多く、イタリアはそれらの国に比べると100分の1程度とかなり少ないです。有名なのはシチリアのエトナ山の麓にあるブロンテという小さな村のピスタチオです。一昨年その村に行ってみましたが、本当に小さな村でしたが、ちょっと郊外に行くとピスタチオの木がたくさんありました。
よくあるおつまみ的なピスタチオはアメリカ産のものが多く、製菓などで使われるのはイラン産のものが多いのではないかと思います。味的にはかなり違うので、やはりイタリアのものが一番美味しいように思います。その分価格も高いですが。。。

ピスタチオは、殻に包まれた中に薄紫色をした薄皮があって、その中にグリーン色をした果肉があります。他のナッツ類に比べても果肉部分が小さいです。つまり、その分手間もかかるということです。

食材として手に入るのは3パターンあって、ペースト状のもの、薄皮が剥かれたもの、薄皮付きのもの。この順番で価格も変わってきます。
ペースト状のものは、さらに色々あって、着色料が入っているもの、オイルが足されているもの、何も入っていないものなどなど。ロースト具合もそれぞれ違っているので、強く焼かれたもののペーストもあれば、少し浅く焼かれたものもあります。
手に入るものは全部試したところ、ペーストは美味しいけど着色料が使われていたり、美味しいけどロットによるムラがあったりもします。薄皮を剥いたものを自家焙煎しペーストにもしましたが、薄皮を剥いた時点で劣化が早くなってしまうので、結局、薄皮付きのものを使っていて、薄皮を自分たちで剥いてペーストにして使っています。

ただ、自家製ペーストだけでは少し物足りない部分もあるので、気に入ったペーストも合わせて少し入れるようにしています。

今はシチリア産のピスタチオの豆を使っていますが、ここ数年なぜか「ブロンテ産」という言葉を目にすることが増えました。ブランド力が付いたということなのでしょうが、ブロンテ産100%のピスタチオの豆も手に入りはしますが、取り扱っている会社や品質の問題もあるので、ブロンテ産だから一概に良いとは言えません。
どんな生産物でも言えますが、生産地が大切なのではなくて、結局はその使う素材の状態の方が大切だと思っています。

状態が良くて安定的に手に入るのであれば、やっぱりブロンテ産のものが良いとは思いますが、シチリア産というのも恐らくかなりブロンテ周辺の地域で作られているのではないかと思います。確証はありませんが。

そんなピスタチオを今日も二人掛かりで剥き続けたのですが、頑張っても1日1kg〜1.5kgくらい剥けて精一杯です。というのも、この薄皮を剥くのはかなり骨が折れるからです。ヘーゼルナッツは薄皮が薄くボロボロ取れ易いのですが、ピスタチオは薄皮も少し分厚く、果肉としっかりくっついていることも多いのです。
一時期は教えてもらって軽く湯がいてから剥く方法も取ってみましたが、湯がいてからの劣化が早く結局、風味が良い地味ながらコツコツ薄皮を手で剥いていくことを選んで今はそうしています。

ピスタチオはコーヒーのようにハンドピッキングも必要で、虫食いが多かったり、状態が悪いものも混ざっています。状態の良いものだけ手に入れることが出来れば必要ないのかもしれませんが、状態の悪いものはドリアンのような臭いがすることもあり、少量であっても風味に影響します。

値段も高くて一番手間もかかるピスタチオですが、やっぱりミルクに合わせるととってもリッチな味わいで美味しいジェラートになります。
恐らく、日本でこんなに手作業でピスタチオを剥いたことがある人はいないんじゃないかと思うくらい今まで剥いてきましたが、そのおかげかピスタチオの状態もよく分かるようになってきました。
それでも、やっぱり採れたてのブロンテのピスタチオの味を思い出すとあれは美味しかったなぁと思ってしまいます。今年は奇数年で本格的な収穫年なので、またあの村に行きたいなぁと思っています。