Meister's Blog自分の言葉でお伝えします。

Posted on 02.19.2014 9:44pm

何だか切ない遺伝子組み換え。

昨日はウッドベリーズの田川さんに誘われて、農民連食品分析センターに行ってきました。
この食品分析センターは、募金で作られた世界でも珍しい食品分析センターです。私たちも普段、菌検査など行う時は食品分析にかけますが、農民連食品分析センターが他と大きな違いはどこにも属さず、自らの意思で食品の安全や農業を守っていくために活動されているということです。

問題を提議し、時には国をも動かすような機関なのです。そんな立派なところの所長さんに色々お話を伺って、見学をしてきました。

主な内容はこんな感じでした。
1、残留農薬の検査及び危険物質の分析
2、放射能測定
3、遺伝子組み換え
4、その他、食全般、添加物など

全部がかなりのボリュームであり、なかなか自分の中でもまだ整理し切れていないので、思いついたところからまとめてみようと思います。

一番、認識が薄かったのが3の「遺伝子組み換え」についてです。
全く知らなかったという訳ではありませんが、ぼんやりとしていたことがクッキリ見えてきました。これはなかなか根が深く、賛否両論だろうし、答えがない話なのかもしれません。

遺伝子組み換えは簡単に説明すると、例えば、害虫に強い植物を作るために、その耐性を遺伝子の中に組み込んでしまうということで、そうすることによって、害虫にやられない植物が誕生するというようなことです。

良いところは、特定の害虫や除草剤などを受け付けなくなるので効率的に作物を作ることが出来るようになります。
また、例えば砂漠のように作物が出来ない環境の中でも育つ作物を作ったり、貧困の国でもコストがかからないような作物を作ることも出来るそうです。
要は、人間にとってより効率的に農作物を作ることが出来るということです。今のところそういった営利目的としての要素が強いようです。逆に、あらゆる耐性を持った作物を作ることで、電力や労力を少なくして作ることが出来ると考えると、ある意味エコとしての側面もあるかもしれません。

悪いところは、遺伝子を操作して自分たちの都合の良いものを生み出すということに対しての倫理的問題。体への悪影響や安全性の問題。生態系の変化の問題などなど。

このあたりは、興味があればwikipediaでも読み込めばかなり諸説書かれています。
個人的に驚いたのは、その殆どは今のところ商業目的で広がってるということです。アメリカらしいと言えばアメリカらしいですが、やはり日本やヨーロッパと比較すると食に対する考え方もかなり違うように感じます。

体に対する影響は、諸説あるものの遺伝子組み換えの農作物を食べて死ぬというようなことはありませんが、どちらかと言えば、生態系への影響や世界への広がりのスピードではないかと思います。
私のように食に関わり、作る立場から見ると、DOMORIのカカオがなぜ美味しいのかというと、カカオの原種に近い状態を保全しているからで、遺伝子組み換えでなくとも品種改良などを行い、元と違うカカオになってしまったものは、やはり香りが違うと感じるということは、在来種や原種というのは農作物にとって、とても大切なことのように思います。

同じように最近好きなヴァンナチュール(自然なワイン)などもそうで、その土地の材料在来種のものは個性的で面白いものです。

また種子の支配という問題も大きくて、このあたりも長くなってしまいそうなので今回はやめておきますが、全般的に思うのは自然の摂理に対抗する人間の術なんて僕はないように思うのです。いつだって自然災害に打ち勝つことなんて出来ないし、遺伝子組み換えをして害虫に強い農作物を作ったところで、結局またそれより強い害虫が生まれていくというのが自然の摂理だと思うので、ずっといたちごっこのように続くだけな気もします。

個人的には、美味しさと安全性は繋がっていると考えているので、体に悪いけど美味しいというものはあるでしょうが、日常的に食べて体の糧となるような食べ物は必然的に体に優しいものなはずです。

美味しいものが好きで、美味しいものが作りたい僕にとっては、原種のような力強い味わいや香りの作物が減っていくと思うと悲しくてなりません。
世界で見れば、日本のように贅沢な国はなかなかないだろうし、お前が言うなよ。という風に思われるかもしれませんが、遺伝子組み換えによって生きていけるという人たちもいるのかもしれませんが、それでも、やっぱり遺伝子をいじって自分たちの都合の良いような生き物を作り出すことは、ただただ切ないことだなと思います。