Meister's Blog自分の言葉でお伝えします。

Posted on 05.01.2014 5:52pm

綺麗な円を手書きで描く。

今日はお休みをいただいていたのだけど、やらないといけないこともあって朝からちょろっとお店に寄った時に、よく来てくれる食べるのが好きで色々詳しいお客さんとお話をしている中で、マルサラミルクを絶賛してくれて嬉しかった。

その時にいただいた嬉しい言葉が、「バランスが良い美味しさ」であるということだった。

確かに、僕は良くも悪くもバランスを取ることに長けているのかなぁと思う。
逆に、バランス良くまとめてしまいがちでもあるので、今のところはちょっと尖った要素を作るのは苦手なのかもしれないし、だからか、スパイス系やお酒を使ったフレーバーなどはまだまだあまり得意ではないのかもしれない。

時には、感動的な美味しさというのは、その尖った要素が必要なこともあるだろうし、ある程度食を突き詰めて行くと、珍味や変わったものに行き着くということもあるかもしれないけれど、僕としてはまだそのあたりは分からないところでもあるので、オーソドックスにバランスが取れた美味しさみたいなことを大事にしているように思うし、どちらかと言えば、あまり深く考えず感覚的にもそうしてしまっているような気もする。

それに、近年の酸っぱい系のコーヒーのように、何か特徴的な方向性に振れている方が記憶に残り易く、メディアなどにも紹介され易い要素もあるように思う。
性格的なものかもしれないけれど、僕にはあまり何かのパラメータがドン!と抜けているものはあまり好きじゃなくて、酸味も甘みも口溶けもバランスが取れている方が好ましい。何かに特化しているということは、他の何かが隠れてしまうと思うと何だか寂しくなる。もちろん、名脇役みたいなこともよくあるのだけど。

ただ、マルサラミルクのように、割と特徴的なマルサラワインの風味を活かしつつ、バランスを取るためにパンを混ぜ込むというようなことは、変わっていると言えば変わっている。小麦粉の味わいやメレンゲを使った食感や違う牛乳を混ぜ合わせたりしながらバランスを取るという方法は、常に色々チャレンジしているからこそ出来てきたことでもある。

ジェラートはコンソメスープの液体部分みたいなもので、見た目は地味だけど構成要素は割と複雑で、深い味わいを出すにはそれこそバランスが本当に大切になってくる。

全体のバランスを取るということは、綺麗な円を手書きで描くような感じに似ている気がする。コンパスや精密な機械で描く円ではなくて、少しぶれがあったりするような、それでもちゃんと綺麗な弧をした円を描くことに。

そして、もっと大きく、綺麗な円を描けるようにこれからも色々チャレンジしていこう。