Meister's Blog自分の言葉でお伝えします。

Posted on 01.20.2015 4:51pm

日本一のすだち産地。

和三盆を見に行った翌日には徳島県は神山町へ訪れた。

神山町は昨年、すだち遍路というイベントでお世話になって、その後も柚香なども紹介いただいた日本一のすだちの産地だ。
また、神山の名前は最近だと町おこしの成功例でテレビなどでも見かけることが多いので比較的知られているかもしれない。過疎化が進む中で、町おこしをどうやっているかということも興味があったので今回、神山に行くことに決めた。

これまでも幾つか産地には訪れたことがあるけれど、しっかりした山間部にはそんなに行ったことがなかったので見るもの全てが新鮮だった。
飛行機から地上を見て山の上に家が幾つか見えた時に、こんな所に住んでいる人いるのかな。と思うような所に住んでいる生産者の方々に会えた。家まで続く道が車一台何とか通ることができるくらいの細い山道で、高いところだと標高400mのところに住んでいる方もいた。なかなか言葉だけでは理解しにくいことが、百聞は一見にしかず。というように、行くと分かることが沢山ある。

柑橘類全般そうだけど、こういった山間部では日照の良さを考え、山の斜面に果樹園があって、とにかく足腰が強くないと手入れも収穫も出来ないようなところにある。この環境だからこそ出来る美味しさがある。
面白いのが、一つの山全体が果樹園になっている訳ではなく、普通の山の中に唐突にすだちであったり、柚香であったりと急に登場することだ。
特に山との仕切りもないので、山と一体化している光景が素敵だった。

今ではよく聞く話だけど、猪、鹿、猿が降りて来て果樹園が荒れてしまうということが多いそうだ。確かに、網が破られていたり鹿の糞がそこらじゅうに落ちていたり、足跡が残っていたりしていた。

一生懸命作られている生産者の方々はみなさん、本当に明るくて、タフだ。
何せ、毎日山を上って、降りてを繰り返して手入れやら収穫やらを行うし、標高も高いので雪が降るとそれまた大変な作業が続くと聞いた。
それでも、おもてなしの気持ちに溢れ、優しくてお話を聞いているだけで気持ちが温かくなるようなみなさんで嬉しかった。

神山でも昔から農業をやっている方もいれば、途中から始めた方もいて、今回は後者の方が多かったのでお話を聞いていると、僕と同じように、最初は何も分からないところから作り始め、ああでもない、こうでもないと試行錯誤しながら今でもより美味しいものを作ろうと努力されていた。
何となく、こういう風に作れば美味しく出来るよ。みたいな方法論が確立されているように思ってしまうこともあるけれど、実際はそんなことなくて、みなさん本当に試行錯誤されている。

ましてや、農作物なのでジェラートのようにこういう風にすれば、こういう味になるんじゃないかと試してすぐに結果が出ない。
1年かけて育てたり、土壌のこととなるともっと年月をかけてようやく味として結果が出るものなので、僕たちのようなもの作りとは全然違う大変さがある。

この前も書いたかもしれないけれど、こうやって生産者の方々に会うと、どれだけその素材に愛着を持って、一生懸命育てられたものかがよく分かる。どこから機械的にポン!と出てきたものではない。

糖度が何%でphがどれくらい。というような数字ももちろん大切だけど、僕にとっては同じかそれ以上に、どんな環境で作られていて、どんな人が作っているかも大切だと思う。最終的な味に、まわりまわって影響してくるものだとも思う。

僕たちが料理なりお菓子なりを選ぶ時に、作り手を見て選ぶこともあるように、生産者の方もきっと自分たちが作った素材がどんな人がどんなものに作り変えていくのか気になるはずだと思うので、お互いと言う意味でもお会いする機会があるのは良いことだと思う。

僕たちは所詮人間で、感情的に生きているものだから、直接会って、あの人が使ってくれている、あの人のものを使わせてもらっているという記憶があるだけで、日々のモチベーションに影響したり、良くしてあげたいという気持ちも芽生えてくるものだと思う。

科学的な要素や技術的な要素は引き続き勉強しながら、より美味しいジェラートを作りたいと思うし、それと同時に気持ち的な要素もより充実させながら臨みたい。

今回も沢山の方々に優しくしてもらって、お世話になりっぱなしで有り難い限りでした。ありがとうございました。