Meister's Blog自分の言葉でお伝えします。

Posted on 08.24.2015 2:31pm

ラムナッツ@ジェラートワールドツアー。

それほどコンテスト経験などないのですが、所謂コンテストと言うと半分くらいは単なるイメージですが、普段あまり食べないようなものであったり、強めの味だったり、複雑な組み合わせのものだったりすることが多いように思っていて、僕が思う美味しいジェラートではないなと感じることが多いです。

ジェラートの本質的な美味しさというのは、シンプルさであって、複雑さではないと個人的には思っていて、マリアージュ的な組み合わせも、もちろんあるけれどそういった方向性はどちらかと言えば洋菓子の方が向いているんじゃいかなと思います。

ジェラートは、素材の良さも悪さも出易いので、味的には良い素材を良い状態で使ったものをそのまま表現して、あとはジェラート的な口溶け感、甘さの感じ方、滑らかな食感などが一番大切だと思うので、イタリアで言うヴァリエガート(ジャムやソースをジェラートに混ぜ込んだもの)やナッツやクッキーなど固形物などが入っているものは、先に書いたようなジェラート的な要素の邪魔をしてしまうので、僕が思うジェラートの本質的な美味しさとは少し違ってきます。

そして、今回のジェラートワールドツアーは一般のお客さんの投票形式であることもそうだけど、野外で大量のジェラートを作らないといけないという条件の中、使ったことがない機械で、慣れない環境でジェラートを作らないといけないので、どうしてもこれが作りたい!というよりは、分からない状況の中でもブレずに美味しく作ることが出来るフレーバーをと思って考えました。
10kg作るのと100kg作るのでは、やっぱり考え方が全然違うものです。

僕の中での今回のテーマは、「ジェラートらしいジェラートを複雑そうな組みわせでシンプルに仕上げる。」です。
ジェラートを作り始めた頃に比べて、何が成長出来たかと考えた時に、知識や技術もそうですが、素材への理解度、その素材を作っている人たちとの出会いというものがありました。

以前、和三盆を作られている会社を訪ずれてお話していた時に、美味しい素材を知っているということ、それを使わせてもらっているということがそのお店にとって大きな武器だということを話されていたことをふと思い出しました。
お金を出せばどんな素材でも手に入るということでもありません。人間関係あっての素材というのもあります。

今回はそんな素材たちを集めて、自分の手でバランス良くまとめてみようと思って「ラムナッツ」というフレーバーに決めました。その名の通り、ナッツ×ラム酒のフレーバーです。

ちょうど、昨年まで気に入って時々使っていた、フランスのグルノーブル産胡桃が最近、復活したとのお知らせを聞いて、良いタイミングだったのでメインはこの胡桃を使ってみようかなと決めました。

ナッツ類というのは、賞味期限は長いものの、劣化があってモノが良くても状態が悪いということが多く、胡桃も同じグルノーブルのものであっても状態がイマイチということがよくあるのですが、今回使うのは珍しく真空缶に入っているものでとても状態が良いものを使います。

ラム酒は、これまで色々試した中から一番気にっているペールラバという醸造所で作られたものを使います。今までラム酒だと思っていたものが全然違うものだと思ってしまうほど香り豊かです。

この2種類がメインではありますが、これだけだと味がどこか淡白。やっぱり、旨味要素が足りないので、副素材にするにはもったいないのですが、お世話になっているパーラー江古田でお願いしたバゲットを少量ジェラートのベースに混ぜ込みます。
パンの味として感じることがないくらいの量ではありますが、シンプルな小麦と発酵の旨味がしっかり足されています。

そして、甘さは三谷製糖さんの和三盆を中心に蜂蜜やグラニュー糖などもバランス良く配合します。和三盆にも独特の甘さに加え、旨味があって、味の骨格としての役割も担っています。

最後に、キリッとした塩気が美味しいマルドンの塩を少し振って味を締めて完成です。

いつものジェラートのように、強烈なインパクトがあるという仕上がりではありませんが、素材の味をそのもの以上に美味しく感じられるようなフレーバーに仕上がっています。

お店ではなかなか出せないフレーバーでもあるので、是非、会場でお試しあれ。