Meister's Blog自分の言葉でお伝えします。

Posted on 02.06.2018 9:06am

せめぎ合い。

バレンタインの催事は真っ只中ですが、改装工事もまた真っ只中です。

ジェラートをこんなに長い間作っていないことがなかったので、変な感じではありますが、手は使えずとも、頭を使って考えないといけないことが山積みです。

店づくりについてずっと考える日々です。

店づくりとは個人的なことと言えば、とても個人的なことだし、不特定多数のお客さんが来ると思えば、公共的なことでもあります。
個人的なことと公共的なこととのバランスが大切だと考えていて、趣味みたいになり過ぎるのも良くないし、需要に合わせ過ぎたものだとつまらないものにもなってしまいます。

個人店の良さは店主の個性がダイレクトに伝わることだと思う反面、あまりに我が強いと万人受けしなくなる可能性もあります。
そして行き過ぎると、自分が思う良さや価値観が伝わらないと、自分は正しいけど、世の中が間違っている。分かっていない。と思ってしまうパターンもあります。

とは言え、この行き過ぎた部分がないと新しい価値や表現みたいなものは生まれてこないという逆説的なことも言えます。

このあたりのせめぎ合いをずっと続けながら、今回の改装に臨んでいます。
味への理解や好みも難しいし、センスに対する理解や好みもまた難しいので、自分好みなものがどれくらい受け入れられるのか、そうじゃないのか。ということに対してもまた、せめぎ合いを続けています。

例えば、ある程度単価が高いレストランやそもそも敷居を上げているバーのような業態であれば、割と行き過ぎたものであっても問題ないことが多いのでしょうが、僕たちのような割と幅が広い客層で、そこまで単価も高くない商売の場合の方が難しいと思います。

ジェラテリアは本来、街に根ざした駄菓子屋さんの延長みたいなところがあって(と個人的に思っていて)、本質的にはぶらっと来てサクッと食べてスッキリ帰る。というような使い方がベースにあります。
最近になって、ようやくイタリアでもオシャレなジェラテリアが増え来たし、クオリティに対して強いこだわりがあるお店も増えて来たような印象があります。

そういうジェラテリアの姿を見ていると、手軽でサクッと食べれるものが最高に美味しい。ということが良いなと思っていて、例えば、高級なパフェみたいなものも良いとは思うけど、僕の目指したいところは、デイリーで気軽さがあるけど、本質的に美味しい。というところです。

なので、パフェみたいなものも、今後やっていきたいなと思ってはいますが、やるなら手数を減らしてあまり待たせず、そして、そこまで高級でないものを作りたいなと思っています。

イタリアでいつも驚くことは、「ふつう」に美味しい。ということです。
装飾的でもなく、素朴でシンプルに美味しい。ということです。
それこそが、文化的になる要因だと考えていて、エスプレッソ文化もそうだし、ジェラート文化もそうだし、デイリーに使えて、シンプルに美味しくなければ、一部の人の嗜好品になりがちになってしまいます。

僕たちが目指したいジェラート作りも、店づくりも、「ふつう」であること。または、普通でなさそうなことを如何にふつうに感じられるものにしていくかがポイントだと思っています。
尚且つ、そこに自分たちらしい価値を付加して、オリジナリティあるものにしていければベストだとも思っています。

こんなせめぎ合いを延々と、ああでもない、こうでもないと考えながら、色々な人の力を借りながらリスタートプロジェクトを進めています。