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Posted on 02.21.2018 9:01am

ジェラートの構造学。

改めて、本を読みながらジェラート について勉強しつつ、新たな配合を考え始めました。

お菓子や料理についての知識がそんなにある訳でもないので、他のことはあまり分かりませんが、たぶん、大抵のことは構造を理解して、その後に作り方や配合などを考えていくのが合理的な流れだと思っています。

ジェラートは「凍らせる」ものなので、現象として見るとなかなか特殊なことなのだと思います。なので、その構造も凍らせることを前提に考えないといけません。

当たり前ですが、凍る部分は水分です。
では、水分じゃない部分は何かと言うと、これも当たり前ですが、固形分です。

例えば、ミルクジェラートの場合の水分で言うと、牛乳や生クリームの中の水分量が水分となります。ただ、牛乳は液体だから水分100%かと言うとそうではなくて、乳脂肪や乳糖と言う糖も入っていたり、幾つかの固形分となる成分が含まれているので差し引くと、水分量は88%くらいとなります。
こうやって、それぞれの素材の水分量を計算して、全体としてどれくらいの水分量と固形分量にするか。と言うことを考えていきます。

凍らせるということは、この水分と密接に関わってきます。
さらに凝固点(例えば、水が氷になる温度)との関係性も出てきます。水は0度で氷になるけど、砂糖水は濃度によるがもっと冷やさないと固まらないと言う風に、この固まりやすさと固まりにくさを理解しておかないと、ジェラートにおいての凍らせる意味も分からなくなってしまいます。

例えば、-10℃で完全に凝固する砂糖水の場合、-7℃だと一見、氷に見えるかもしれないけど、成分的には70%凍っていて、30%はまだ凍っていない状態と言えます。
なので、70%のシャーベット状の氷の状態で、これがジェラートの原型とも言えます。カチカチじゃない状態の氷とでも言いましょうか。

適当な例の数字なのと、オーバーラン(空気の含有率)との兼ね合いもありますが、ジェラートの構造の主要な部分であって、ジェラートの美味しさも楽しさもこの凍らせる行為そのもので、食感や滑らかさなどにも直接的に影響します。

このように水分比と固形分比は、重要な構造の一つと言えます。

しかし、ここまでではほとんどかき氷の延長線上の話ですが、水分、固形分に加えて重要な要素が空気です。

これも当たり前のことですが、空気は凍りません。
この凍らない空気を液体に混ぜ込みながら冷やし固めることで、分かりやすく言うとふわっとします。一枚の氷をかじると固いのは当たり前ですが、例えば、この氷の中に空気が50%均一に入っているとすると、空気部分は固まっていないので、全体としても固くないと言うようなイメージです。

これをアイスクリーム作りにおいては、オーバーランと呼んでいて、一般的なアイスクリームはオーバーランが何%でジェラートは何%でソフトクリームは何%でと言われます。

つまり、例えば、100のジェラートの中に液体が50、固形分が30、空気が20と言うようなバランスになります。

構造的にはこれらの3つの大きな要素が結びついてジェラートが成り立っています。
そして、ここからまた逆算して、固形分の中身を糖類、脂肪分、無脂乳固形分などと分類しながら、さらに細分化して配合を考えていきます。

さらに言えば、味とは別のベクトルとしてグラニュー糖やブドウ糖、蜂蜜などの糖類は重要な要素で、それらの分子のサイズの違いまで出来上がりのジェラートの固さや滑らかさに影響してきます。

ジェラートは簡単そうで奥が深い由縁は、こういった構造的な理解から考える配合の妙みたいなことなんだろうと思っています。