Meister's Blog自分の言葉でお伝えします。

Posted on 03.29.2018 8:56am

機械と手仕事。

とりあえず、10年。
と、この前、ふとした時に見たテレビから聞こえてきた。

そう言えば、ジェラートの仕事を始めて、トータルでそろそろ10年くらい経つような気がする。別に年数なんて関係ないなと思っていたけれど、10年くらいやっていると自然と自分から滲み出てくるような個性が現れてくるように思う。

普段はあまり展示会とか講習会とか行かないのだけど、偶然、僕が好きなボローニャにあるジェラテリアの職人が講師だということもあって、たまには行ってみようと思い立ち、参加してきた。
あまりこういう会に参加しないので比較して良し悪しは分からないが、職人の考えやジェラートに対する姿勢がとても真摯で良い講習会だった。

お店がリスタートして気持ちも初心に帰ってやっていることも合間って、こういう講習会に参加するとジェラートを始めた時のことを色々思い出して複雑な気持ちでもあった。
昔なら全然分からなかったこともだいたい分かるようになったし、理屈や知識的な部分では今ではそんなに不自由しない。
それでも、たまにこうやって外に出てジェラートの話を聞いたり、質問したりするのも悪くなくて、イタリアでジェラテリアを長くやっている職人の話はやっぱり説得力があるものだ。

話は変わるが、ジェラートを作るマシンが開発されてから90年近く経つらしいので、機械はもちろん進化し続けている。
衛生面、技術面、安全性、スピード、仕上がり。多方面にわたって、進化している。
ただ、機械は機械であって味を作るのは人であることを、あまりに機械が進化し過ぎると忘れてしまうこともある。気を付けねば。

最新の機械を見ていると、良い状態のジェラートが仕上がり易い印象がある。美味しいジェラートが世の中に増えることは嬉しいことではあるけれど、均一的になり過ぎる可能性もあって、それぞれの個性が薄まる可能性もあるんだろうなと思う。

とは言え、機械自体の仕組みが圧倒的に違う訳でもなく、使う機械によって個性が出るようでは意味がなくて、どんな機械でも使いこなせば良いだけだと思うので、やっぱり、オリジナリティは手仕事から生まれ、それぞれの考え方や向き合い方から生まれるものだと思うから、結局、毎日コツコツとジェラートを作るしかない。

そして、続けることで少しだけ何か見えてくることがあったり、滲み出てきたりするものがあるのだろう。