Meister's Blog自分の言葉でお伝えします。

Posted on 01.08.2019 11:38am

ラムレーズンの難しさ。

この季節になると毎年、「ラムレーズン」はいつ出ますか?
と聞かれます。

ラムレーズンファンは世の中、意外と多い割に、ラムレーズンのアイスってそんなにいっぱい売られていない気もします。

僕はあまり好きなタイプのフレーバーではないので選ぶことはありませんが、ジェラテリアに行くと置いてあることもあります。イタリアではmalaga(マラガ)という名前のフレーバーとして売られています。

ラムレーズンはその名の通り、ラム酒にレーズンを漬けたもののことで、それをミルクやバニラアイスに混ぜ込んだもののことです。
ジェラートを作る仕事を始めてから、毎年、冬になると作る用にしていますが、実はまだまだベストの状態というものが見つかっていません。

そこで言い訳がましいですが、ラムレーズンの難しさについて少し。

まず、ラムレーズン作りから始まるのですが、使うラム酒の種類を決め、使うレーズンを決めるのですが、ここから既に難易度が高くなります。
ラム酒と言っても、大きく分けるとインダストリアルラムとアグリコールラムの2種類に分かれ、僕はアグリコールラムを好んで使っていますが、その中でも沢山の種類があります。そして、アグリコールラムはどちらかと言えば、バーなどでロックやストレートで飲むような非常に香りが良くて値段も非常に高いものが多いです。

レーズンもまた、種類が多く小粒のものから大粒のもの、水分が少し残っているセミドライのもの、マスカット由来のものなどなど、これまた本当に沢山あり過ぎます。
最近は大粒のセミドライのものを使っているのですが、これもまた値段は優しくないという問題もあります。。。

これらを選ぶと次は漬ける作業に入ります。
レーズンをラム酒に漬ければ良い。と思われますが、そこもまた配合が難しくなります。ジェラートにするので、加熱する訳でもなくアルコールがそのまま残ります。ジェラートとアルコールは相性があまり良くないので、度数が高いとジェラートが溶けてしまうという問題がある上、45度以上あるアルコールにそのまま漬けてもお酒好き以外の方にはお酒が強過ぎてあまり美味しくありません。

そこで、砂糖を水に溶かしたシロップで割って、アルコール度数を落としたものに漬けることにしています。
ここでもまた、じゃあ、どれくらいのアルコールを残して、どれくらいの糖度にするかという問題もあって、ここがラムレーズンの美味しさのポイントだと思っています。

さらには、何日漬ければどれくらい浸透するのか、逆に浸透し過ぎない方が良いという考え方もあると思うので、ここのバランスの問題も出てきます。

ラム酒が効いてて、ほんのり甘くてプリッとしたレーズンが目標です。

ここから、ジェラートを作るのですが、ジェラートもただのミルクジェラートではつまらないので、漬け込んでいたラムシロップを混ぜ込んで(またはラム酒を追加して)ほんのりラム酒が香るようなジェラートを目指して作ります。

ラムレーズンが主役だと思うとジェラートのお酒は控えめにした方が良いとか、ラムがしっかり効いている方が良いとか、そのあたりは好みで毎年色々試しています。
そして、溶け易い問題は常にあるので、ラムレーズンの母体となるジェラート自体は少し固めを意識して作ります。

ざっと、こんなところですが、どうしても漬け込む時間を考えると、パッと試作して完成という訳にはいかないフレーバーですが、今年も重い腰を上げて、ようやく作りました。

さてさて、今年の出来はいかに。